システム開発の外注管理とは?丸投げではダメな理由と関わるべきポイント
システム開発の外注管理とは、企業が業務の一部を外部の専門業者に委託し、その進捗や成果を適切に監督・調整するプロセスを指します。
そこで、
「システム開発は委託先に丸投げではダメなの?」
「システム開発を外注する際の注意点は?」
という疑問をお持ちではありませんか?
本記事では、そんな疑問の解決に役立つ内容を
・システム開発の外注管理の重要性
・システム開発の流れと発注者が関わるポイント
・システム開発を外注する際の注意点
・システム開発を外注するメリットとデメリット
・3つのシステム開発手法とその特徴
・システム開発の外注先を選定するポイント
の順番に解説していきます。
なお、そもそもシステム開発とは何か、種類や工程などについて知りたい人は、ぜひ下記の記事もご覧ください。
関連記事:システム開発とは?システム開発の種類や仕事内容、工程について解説
目次
システム開発の外注管理の重要性
システム開発を外注する際は、開発会社に丸投げするのではなく、プロジェクトの成功のために発注者自身が主体的に開発プロセスに関わることが重要なポイントです。
受注する開発会社は、技術的な専門性は高いものの、発注企業の業務の詳細まで理解できないことも少なくありません。
発注企業の担当者は、自社の業務に精通しており、必要な機能や運用面での課題を把握しています。
そのため、積極的に関与していくことが、求めるシステムを作り上げるポイントとなるでしょう。
システム開発の流れと発注者が関わるポイント
それでは、発注者はどのような点でシステム開発に関わるのでしょうか。
下記は、システム開発の項目とそれぞれに「開発会社」と「発注会社」がどのくらい関わるのかを示した表です。
項目 | 開発会社 | 発注会社 |
---|---|---|
システム企画(RFP提案依頼書の作成) | ‐ | ◎ |
要件定義 | 〇 | ◎ |
外部設計 | ◎ | 〇 |
内部設計 | ◎ | ‐ |
テスト | ◎ | 〇 |
運用保守 | 〇 | ◎ |
上記より、発注会社もシステム開発に積極的に関わることがわかります。
下記でそれぞれの項目で発注者がどのように関わればよいのか、ポイントを紹介します。
システム企画(RFP提案依頼書の作成)
システム企画では、開発するシステムの全体像を描き、プロジェクトの目的や範囲、予算、スケジュールなどを明確にします。
そのため、発注者側が主体となって、RFP(提案依頼書)に、システムに求める機能や性能、セキュリティ要件、導入後の運用保守体制など、発注者の要求事項を詳細に記載します。
この際、発注者は自社の業務やユーザーのニーズを深く理解し、それをシステム要件として的確に表現することが求められます。
要件定義
要件定義は、RFPに基づいて発注者と開発会社が協力して、業務フローや画面遷移、データ構造などの具体的な仕様を固めていく工程です。
発注者は、現場の業務知識を提供し、開発会社は、それをシステム化するための技術的な提案を行います。
外部設計
外部設計は、要件定義の内容を基に、画面のレイアウトやデータの入出力形式、外部インターフェースなどのシステムの外部仕様を設計する工程です。
主に、開発会社が主体となって設計を進めますが、発注者も定期的にレビューに参加し、ユーザビリティや業務適合性をチェックすることが大切です。
内部設計
内部設計は、外部設計を受けてモジュール構成やデータベース設計、プログラムの処理方式など、システムの内部構造を設計する工程です。
技術的な内容が中心で開発会社の主体となるものの、設計結果が要件定義の内容と整合しているか、全体のスケジュールに影響がないかなど、プロジェクト管理の観点からの確認が求められます。
テスト
テストは、開発したシステムが要件通りに動作するか、単体テストや結合テスト、システムテストなどを実施する工程です。
開発会社が主体となってテストを進めますが、発注者もユーザー受け入れテストに参加し、業務シナリオに沿ってシステムを検証することが求められます。
運用保守
運用保守は、システムの本番稼働後、安定的に運用して継続的に改善していく工程で、発注者が主体となって、システムの運用管理や利用者サポートを行います。
運用中の問題点や改善要望を吸い上げ、開発会社と協議しながら、システムを改善していくことが重要です。
システム開発を外注する際の注意点
システム開発を外注する際、企業が注意すべき点は大きく3つあります。
- ・契約内容を確認する
- ・開発会社とコミュニケーションをしっかり取る
- ・リスク管理をしておく
契約内容を確認する
システム開発の外注では、発注側とベンダー側で詳細な契約を交わすため、契約内容を入念に確認することが、トラブルを未然に防ぐ上で非常に重要なポイントです。
主に、システムに求める要件定義や仕様書が契約書に明記されているか、納期やコストなどの条件に無理がないか、運用保守まで含めたサポート体制が整っているかなど、契約のあらゆる側面を確認します。
開発会社とコミュニケーションをしっかり取る
優れたシステムを作り上げるには、単に仕様書を渡して丸投げするのではなく、細かな進捗や変更点をこまめに確認し合うことが大切です。
この際、発注側の担当者は、ITの専門知識がなくても構いません。
発生した課題や問題点を見つけ、報告・連絡・相談を密に行い、現場の生の声を開発側に伝えることが何より重要です。
リスク管理をしておく
システム開発プロジェクトでは、要件定義の不備によるやり直し、開発の遅延、費用の超過、データ移行時のトラブルなどのさまざまなリスクが潜んでいます。
事前にリスク分析を行い、起こりうる問題を洗い出した上で対応策を立て、必要に応じて予備の人員や予算を確保します。
また、トラブル発生時に速やかに対処できる社内の管理体制を構築し、リスクが顕在化した際の連絡体制を整えておくことも大切です。
システム開発を外注するメリットとデメリット
システム開発を外注することには、さまざまなメリットとデメリットがあります。
自社でシステム開発を行うか、外部に委託するかの判断基準として、参考にしてください。
メリット
システム開発を外注するメリットには以下が挙げられます。
- ・専門的な技術やノウハウを持つエンジニアに開発を任せられる
- ・自社の人的リソースを割かずに済む
- ・開発スピードを上げられる
- ・最新技術の導入がしやすい
- ・必要な時だけ外注できるので柔軟に対応できる
システム開発を外注する最大のメリットは、専門的な技術やノウハウを持つエンジニアに開発を任せられることです。
特に自社に人材が不足している場合、質の高いシステムを効率的に開発してもらえます。
デメリット
システム開発を外注するデメリットには以下が挙げられます。
- ・外注先との意思疎通や管理に手間がかかる
- ・機密情報の漏えいリスクがある
- ・トラブル発生時の対応が遅れる
一方で、システム開発の外注での大きな課題は、外注先との意思疎通を図ることや外注管理を行うことに手間がかかることです。
3つのシステム開発手法とその特徴
システム開発には、以下に挙げた特徴の異なる3つの手法が挙げられます。
- ・ウォーターフォール型開発
- ・アジャイル型開発
- ・プロトタイピング型開発
ウォーターフォール型開発
ウォーターフォール型開発は、システム開発プロジェクトの各工程を順番に進めていく伝統的な開発手法です。
順番に進めるため、プロジェクトの全体像が把握しやすく、進捗管理もしやすいというメリットがあります。
一方で、前の工程に戻ることが難しく、途中での仕様変更への対応が難しいというデメリットもあることから、要件が明確で変更の可能性も低い場合に適しています。
アジャイル型開発
アジャイル型開発は、短いイテレーション(反復)を繰り返しながら開発を進める手法です。
開発とテストを同時並行で進められ、ユーザーの要望を随時取り入れつつ柔軟に仕様変更できることが大きな特徴です。
アジャイル型開発は、エンジニアとユーザー側の密なコミュニケーションが不可欠です。
企業が外注先に依頼する際は、自社の担当者も開発チームに加わり、頻繁に進捗を確認することが肝要です。
プロトタイピング型開発
プロトタイピング型開発は、早期に試作品(プロトタイプ)を作成し、ユーザーの評価を受けながら開発を進める手法です。
画面イメージや操作性を早い段階で確認できるため、ユーザーの要望を正確に反映できることが利点です。
とはいえ、試行錯誤を重ねることから工数が読みづらく、コストが膨らむ恐れもあります。
外注する際は、プロトタイプ作成に必要な情報をベンダーにしっかりと伝えることが重要です。
システム開発の外注先を選定するポイント
システム開発の外注先を選定するポイントには、以下が挙げられます。
- ・トラブル対応に強いシステム開発会社に依頼する
- ・実績が豊富なシステム開発会社に依頼する
- ・予定通りに完了してくれるシステム開発会社に依頼する
トラブル対応に強いシステム開発会社に依頼する
システム開発を外注する際、要件定義の齟齬や仕様変更など、さまざまな問題が発生する前提で、事態に柔軟に対処し、プロジェクトを軌道修正できる体制を持つベンダーを選びましょう。
過去のプロジェクトで問題が発生した際、どのように解決したのかを確認したり、トラブル発生時の連絡体制やエスカレーション方法なども事前に取り決めたりしておくと安心です。
関連記事:システム開発の失敗・トラブルの原因とその対応方法を紹介
実績が豊富なシステム開発会社に依頼する
システム開発の外注先選定では、類似プロジェクトの経験が多いベンダーほど、開発の勘所を押さえつつリスクも最小限に抑えられます。
自社のプロジェクトに近い案件を数多くこなしている会社なら、ノウハウが蓄積されているからです。
また、実績とともに最新技術へのキャッチアップや、新たな領域へのチャレンジ姿勢も見極めておくと、よりプロジェクト遂行能力と柔軟性を兼ね備えたベンダーを選定できます。
予定通りに完了してくれるシステム開発会社に依頼する
システム開発プロジェクトを予定通りに完了させるには、納期遅延やビジネスチャンスの損失、信用低下などを未然に防ぐことができるスケジュール管理の徹底が欠かせません。
要件定義や設計工程に十分な時間を確保し、バッファも織り込んだ計画を立てられる会社は信頼できます。
また、いくら優れた管理能力を持つベンダーであっても、予定通りの完了はリスクの観点から難しいことを踏まえ、計画だけでなく進捗管理の仕組みや体制も確認しておくと安心です。
システム開発ならフェアシステムにおまかせ
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